令和7年7月13日(日)~9月4日(木)
東大寺の境内の北端に位置する知足院には、中世以来、霊験あらたかなことで有名な地蔵菩薩像が安置されてきました。この地蔵菩薩像は縁起書によれば鎌倉時代の学僧・貞慶が春日大社の神様のお告げを受けて作ったものと言われています。この御像は貞慶から弟子の良遍へ、さらにその弟子の覚澄へと代々受け継がれ、大切にお祀りされてきました。地蔵菩薩は六道を輪廻し人々を救済してくれる仏様として信仰を集めたため、亡くなった親しい方の冥福を祈るための本尊ともなりました。ここでは知足院の地蔵菩薩を守り伝え、追善供養された人々の歴史をご紹介いたします。
〈展示品〉
英俊御聞書 江戸時代(17世紀)書写
重要文化財 地蔵菩薩立像(知足院伝来) 鎌倉時代(13世紀)
重要文化財 釈迦如来坐像(善円作) 鎌倉時代・嘉禄元年(1225)
栄祐上人画像 江戸時代・慶長18年(1613)
十三仏図・十六羅漢図 江戸時代・享保10年(1725)