写経・写仏について

Hand-copying of a Sutra or Buddhist Picture

東大寺の写経について

東大寺の写経には、「華嚴唯心偈(百字心経)」と、「般若心経」の2種類があります。

華嚴唯心偈(百字心経)
般若心経
昔の人が書いた写経は随分たくさん残されています。それには蔵経願経の2種類があります。 蔵経は、東大寺などで一切の経典を写して学ぶ為に書いたもの、願経は人々が願いを満たそうとして書いたものです。
その形式も色々ですが、一行に十七字書く約束がありました。またその方法も、儀式として荘厳なものから略式のものまで、さまざまでした。その様式は時代によって移り変わっているようです。
東大寺では、そうした古来の伝承をもとにして、形式にも新しさを加えました。一枚の写経紙に、ご家族が何行かずつ書いていただいても結構ですし、グループでお書きいただいても構いません。毛筆で書くようになっていますが、どうしても…というお方は、エンピツでもボールペンでもお使い下さい。

なお、東大寺では、大仏殿西側の指図堂(大仏殿入堂口から廻廊沿いに北へ進み、廻廊の途切れたところの階段を降りた場所)に写経をしていただくための写経場を設けております。

指図堂にて写経、写仏をしていただく際は、事前の予約は必要ございません。

10名以上の場合は。事前にお知らせいただけると幸いです。

(電話:0742-22-5511 東大寺寺務所 写経係)

写経道場がやむを得ず使用できない場合は予めお知らせしますので、必ず「お知らせ」をご確認ください。

指図堂修理勧進写経のご案内 

令和5年3月31日(金)をもって指図堂修理勧進写経のお申し込みは終了しました。

これまでにお申し込みされた方は、4月30日(日)必着で東大寺写経係までお送りください。

指図堂修理勧進にあたり、さらに深いご縁を結んでいただく方法として、勧進用お写経セットをご用意いたしました。

今回新たにご用意したのは、「六字名号」のお写経です。

六字名号とは、「南無阿弥陀仏」の六文字をいいます。「南無」とは礼するの意で、「南無阿弥陀仏」とは阿弥陀仏に帰依することを表す言葉です。『観無量寿経』などに説かれ、この六字名号を唱えることによって、浄土往生が達せられるとされています。

江戸時代の東大寺大勧進・公慶上人は、往昔の重源上人にならって、お念仏の信仰を仲立ちに、大仏像修復、大仏殿再建の勧進を盛んに行われました。上人は奉加結縁の方々に十念を授けたり、また自ら揮毫した六字名号を授与されたりすることがありました。いくつか伝わる遺品のうち、優品の一軸よりお手本を取りました。

東大寺、指図堂の歴史に思いを馳せながら、この六字をお書きいただき、阿弥陀仏、法然上人にご結縁賜れましたら幸甚に存じます。
※指図堂修理勧進写経のセット一組は、基本の「六字名号」に加えて、「華厳唯心偈」もしくは「般若心経」の計二巻の組み合わせです。
修理勧進写経の奉納料は、一組5,000円よりお願いします。
令和5年3月迄(予定)の勧進期間にお納め下さいました本写経に限り、指図堂内に永代奉納し、末永く諸願成就をご祈念申し上げます。またこの度特別に復刻した「法然上人御影札」を後日贈呈いたします。
※当ホームページの「写経・写仏郵送申し込みフォーム」よりお申し込み下さいましたら、振替用紙入りの写経セットを郵送でお届け致します。一巻でも多くのご納経をいただけますよう、お知り合いの方々にもお呼びかけ下さいますようお願い申し上げます。

東大寺の写仏について

東大寺の写仏には、
華厳五十五所絵巻の如来、華厳五十五所絵巻の善財童子、盧舎那仏蓮弁線刻画雲中化仏
の3種類の手本と用紙が含まれています。
また、手本はそのまま色紙額に飾れるようになっています。
盧舎那仏蓮弁線刻画雲中化仏
華厳五十五所絵巻の如来
華厳五十五所絵巻の善財童子
仏さまの尊像を写すことは、仏道を志す学僧たちの修行や勉強のために古くから行われてきました。文字だけを写す写経に比べて、線描と彩色の手順が少し難しいかもしれませんが、心静かに呼吸を整え、ありのままのご自身を素直に表現してください。
東大寺は『華厳経』を所依の経典としています。その教えの根本は、我々が生きている広大な宇宙の中のあらゆる存在は、互いに関わりあいながら動いており、一瞬の中に無限を含み、無限の中に一瞬が満ちていて、それらの事象が何のさまたげも無く融合していることを説いています。
仏さまを描くことによって、心の中に無限のやわらかな気持ちが生まれます。
より多くの方々の手で、より多くの仏菩薩のお姿が現れますように、お知り合いの方々にもお呼びかけくださいますよう、ご案内申し上げます。
皆様から寄せられます写仏は、大仏さまの胎内にお納めして、心願成就をご祈念申し上げます。
用紙の余白の部分には、祈願文として経文やご自分で創作された賛文等を書き入れて頂いても結構です。浄写された年月日、御芳名等も忘れずにご記入下さい。