東大寺ミュージアム
企画展・特別展

  • (8/24、10/6∼10/9)東大寺ミュージアムの休館

    8/24(月)および10/6(火)∼10/9(金)は展示替えのため、ミュージアムのみ休館いたします。

    東大寺総合文化センター内の諸施設(各ホール、東大寺図書館、ミュージアムショップ、カフェ(葉風泰夢)、休憩スペース)はご利用いただけます。

    ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

  • 東大寺の歴史と美術

     東大寺ミュージアムでは「東大寺の歴史と美術」をテーマとして、常設展示および特集展示などを行っています。

     常設展示ではミュージアムの本尊である千手観音菩薩像のほか、法華堂伝来の日光・月光菩薩像、奈良時代の誕生釈迦仏像など、多くの寺宝をご覧いただけます。特別公開・特集展示については下記でご案内しています。

     

    令和8年7月25日(土)~8月23日(日)の展示品目録はこちら

     

    現在展示中の伎楽面

       

     

  • 開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第6弾「倶舎論ー仏教の基礎学ー」

    令和8年7月25日(土)~8月23日(日)

     

     「南都六宗」という言葉は聞いたことがあっても「倶舎宗」の名を知る方は多くないかもしれません。この宗は釈尊の入滅後、教えの解釈を巡って分裂した部派(小乗)のうち、最も有力だった「説一切有部」の教理をまとめた『倶舎論』を専門に研究する学派です。4∼5世紀頃にインドの世親(ヴァスバンドゥ)によって著された本書は世親が「大乗仏教」に転向する前の大著でした。日本には大乗の教えとともに伝来しましたが、大乗以前からの仏教の根幹が網羅されていることから、宗派を問わず「仏教の基礎学」として広く学ばれます。東大寺は倶舎研究の拠点です。今回は「満寺皆学」と言われた倶舎の学統の歴史をご紹介します。

     

    《展示品》

    重文 阿毘達磨倶舎論 巻第一    鎌倉時代・元徳2年(1330)

    重文 倶舎論記 第二下        平安時代・天仁2年(1109)

    重文 倶舎論頌釈疏 巻第一     平安時代・大治元年(1126)

    国宝 倶舎曼陀羅          平安時代(12世紀)

    重文 倶舎論記 第十七       平安時代(12世紀)

    重文 阿毘達磨順正理論 巻第七十一 平安時代(12世紀)

    重文 法華経幷開結二経品釈 及び箱  室町時代・明応2年(1493)/ 江戸時代・元禄5年(1692)

       倶舎論明眼鈔         江戸時代(18世紀)

     

    ※上記、重文はすべて「重要文化財 東大寺聖教」 

      

     

    《関連展示》

    国宝 本世親講講師問者請定     室町時代・応永17年(1410)

    国宝 本世親講着到         室町時代・応永17年(1410)

    国宝 本世親講着到         室町時代・応永30年(1423)

       倶舎三十講愚記         室町時代・応永30年(1423)

         

    ※上記、国宝はすべて「国宝 東大寺文書」

  • 【終了】開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第5弾「東大寺の法相宗」

    令和8年6月10日(水)~7月24日(金)

     

     法相宗は別名「唯識宗」とも呼ばれ、この世界の現象すべてを「識(心の働き)」の表れとして捉えることを大きな特徴とする宗派です。インドで大乗仏教が成立した後、あらゆる存在を「空」と説く「中観派」と双璧をなした「瑜伽行派」によって教理が深められ、中国・唐の時代に慈恩大師・基(632~682)によって一つの宗派として確立されました。日本では奈良時代以降、主に興福寺や薬師寺を中心に研鑽が積まれており、南都を代表する宗派と言っても過言ではありません。実は、東大寺においても法相宗は重要な教理として学ばれてきました。今回は東大寺における法相宗修学の一端をご紹介いたします。

     

     

     

       弥勒如来および吉祥天・毘沙門天像(伝弥勒曼荼羅) 江戸時代(17∼19世紀)

    重文 成唯識論 巻第三(東大寺聖教のうち) 平安時代(11世紀)

       瑜伽論抄              平安時代・承安2年(1172)

       唯識論同学抄            室町~江戸時代(15∼17世紀)

    重文 東大寺続要録 諸院篇        室町時代(15世紀)

    重文 慈恩会精義用意抄 巻一、二(東大寺宗性筆聖教幷抄録本のうち)

                         鎌倉時代(13世紀)

       因明相承秘密鈔           鎌倉時代・正安元年(1299)

    重文 地蔵菩薩立像(知足院伝来)     鎌倉時代(13世紀)

     

    《関連展示》

    重文 瑜伽師地論 巻第十二(五月一日経) 奈良時代(8世紀)

       法華玄賛第九抄           平安時代・保延7年(1141)

         

    ※7月13日(月)は施設法定点検のため休館いたします。

  • 【終了】開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第4弾「鑑真和上と律・天台」

    令和8年4月25日(土)~6月8日(月)

     

     今日、華厳宗大本山とされる東大寺ですが、平安時代から明治維新まで、「八宗」(倶舎・成実・律・法相・三論・華厳・天台・真言各宗)の仏法を学び伝える「八宗兼学の寺」としてありました。そこで本特集で、東大寺の律・天台両宗を取り上げることは、決して不思議ではありません。律・天台両宗が東大寺に根付いた発端は、中国から来朝した鑑真和上の存在でした。和上が律学(律宗の教学)と共に如法受戒の作法(正式の受戒を受けた比丘が催す受戒作法)をもたらしたことは、広く知られるところです。和上が創建した戒壇院を拠点として、寺内では長く律学と受戒作法が学ばれ実践されてきました。また東大寺では、天台宗も伝教大師最澄に先んじて和上によって伝えられたと認識されており、多くの学侶が様々な意図のもとに天台宗の教学を修学してきました。そこで鑑真和上により伝えられた律・天台両宗が、東大寺においてどのように修学・相承されたのか、その実像をご紹介したいと思います。

     

     《第1部》〔2室・3室〕「天台宗」

      天台宗は一切衆生の救済を目指す大乗仏教の一派で、華厳宗と同じく全ての人は成仏できるという「一乗」の立場をとります。名前の由来は実質的な開祖である天台大師・智顗(538∼597)が中国の天台山に住んでいたことによります。智顗は各種の経典を研究し、釈尊の生涯におけるいつの時期の教えなのかを整理しました。そして『法華経』を最上位に位置づけ、また修学の方法として禅定(止観)を重視します。智顗が著した『法華玄義』『法華文句』『摩訶止観』は天台三大部と呼ばれています。日本では伝教大師・最澄(766∼822)が広め、その思想は仏教のみならず日本文化に大きな影響を与えています。

     

    重文 東大寺要録 巻第五(諸宗章)    室町時代(15世紀)

    重文 日本高僧伝要文抄 第三       鎌倉時代・建長4年(1252)

    重文 釈迦如来坐像および多宝如来坐像  奈良時代(8世紀)

    重文 法華文句 巻第二(東大寺聖教のうち) 平安時代(12世紀)

    重文 法華文句輔正記 巻第一(東大寺聖教のうち)

                         鎌倉時代・建長8年(1256)

    重文 天台宗論義抄 第一(東大寺宗性筆聖教幷抄録本のうち)

                         鎌倉時代・承久3年(1221)

    重文 天台宗疑問論義用意抄(東大寺宗性筆聖教幷抄録本のうち)

                         鎌倉時代・建長4年(1252)

     

    《第2部》〔4室〕「律宗」

      律宗とは戒律を実践し、また研究することを主とする宗派です。釈尊が仏教を説かれて以降、出家者は僧団を形成するようになります。そこで、集団生活のなかで正しく修行できるように、止事戒(禁ずる戒)・作事戒(行ずる戒)にわたる様々な決まりが定められます。最も基本的な「不殺生」「不偸盗」「不邪淫」「不妄語」「不飲酒」という五戒から、細かなものまで数多くの戒律が存在します。これらは先輩の僧侶から授かるべきものであり、その受戒の方法もいくつかの作法が生まれました。唐代の南山大師・道宣(596∼667)が大成した律宗が最も受け容れられ、孫弟子にあたる鑑真によって日本にもたらされました。

          

    鑑真和上像               鎌倉時代(14世紀)

    県指定 金銅宝塔(金亀舎利塔)      室町時代・応永18年(1411)

    重文 四分律刪繫補闕行事鈔 巻上之三(東大寺聖教のうち)

                         中国・南宋時代(12世紀)刊

    重文 四分律行事鈔資持記(東大寺聖教のうち)

                         鎌倉時代(13∼14世紀)写

       菩薩戒本宗要雑文集         鎌倉時代・弘長2年(1262)写

       菩薩戒通別二受抄          鎌倉時代・元享元年(1321)写

    重文 梵網経菩薩戒本疏日珠鈔 巻第四十一(凝然撰述章疏類のうち)

                         鎌倉時代・文保2年(1318)

       梵網経古迹聴書 上・下       南北朝時代・延元2年(1337)

  • 【終了】開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第3弾「東大寺の真言密教ー愛染明王ー」

    令和8年3月17日(火)~4月23日(木)

     

     古代インドで釈尊が仏教を開いた後、弟子たちによって編纂された経典は膨大な量になりました。さらに中国で仏典が漢文に翻訳されると、最も重要なお経は何かということで様々な解釈が生まれます。こうして教理の研鑽が積まれる中で、学派の別を「宗」と呼ぶようになっていきます。東大寺はこうした各宗を兼備する最先端の仏教研究センターとして存続してきたため、修学の所産である「聖教」が多く伝えられています。学問寺としての伝統を受け継ぐ総合文化センターの開館15周年を記念し、「八宗兼学」と言われる東大寺の各宗を一年かけて順番にご紹介します。

     《第1部》〔2室・3室〕

      平安時代になると遣唐使として中国に留学した空海によって、体系的な密教がもたらされます。密教を基盤に新たに開かれたのが真言宗です。これは手印を結び、真言を読誦し、観想する行によって、「即身成仏」を目指す宗派で、修法という儀式で人々の現世利益も願います。旧都である奈良の東大寺にも南都六宗との融和を図った空海が真言宗を伝えました。空海は嵯峨天皇の勅命によって東大寺の中に灌頂道場(真言院の前身)を建立します。この真言院は荒廃と復興を繰り返しながらも、南都における真言宗の拠点の一つとして歴史上、重要な位置を占めてきました。この特集展示の前半では真言院の歴史を紹介します。

     

    国宝 真言院再興上表(東大寺文書のうち)     鎌倉時代・建治2年(1276)

       真言院再興略記                鎌倉時代(13世紀)

       厨子入金銅火炎宝珠形舎利容器(中道上人所持舎利納置)

                             江戸時代(17∼18世紀)

       火炎宝珠嵌装舎利厨子             室町時代(16世紀)

    重文 金剛頂瑜伽他化自在天理趣会普賢修行念誦儀軌(東大寺聖教のうち)

                             平安時代(11∼12世紀)

     

    《第2部》〔4室〕

      真言宗は「密教」とも呼ばれる通り、言葉だけでは表すことのできない秘密の教えです。仏の真理に到達するため、瞑想や実践的な修行を重視する点で他の宗派(顕教)と異なります。また、現世利益のため「修法」を行うことも大きな特徴です。空海以降、弟子たちによって研究が深められ、次第に儀式作法の異なる諸流に枝分かれしていきます。密教では師(阿闍梨)から直接教えを伝授されることが重んじられ、その伝法の証として多様な秘伝の書(聖教)が作成されました。この特集の後半では「密教聖教」の例として、数ある修法の中でも、造形化されることの多かった「愛染明王」の修法をご紹介します。

          

    弘法大師像                    江戸時代(17∼19世紀)

    薄草紙 初重および二重                江戸時代(17∼18世紀)書写

    木造愛染明王像(五指量愛染)            平安時代(11世紀)

    木造愛染明王像                   鎌倉時代(13世紀)

    絹本著色愛染明王像                 室町時代(15世紀)

    薄草紙口決 五~二十                 江戸時代(18世紀)書写

    愛染王法事                     鎌倉時代(13世紀)書写

    愛染法最深秘訣 本末                江戸時代・享保7年(1722)書写

    如法愛染秘口訣 本末                江戸時代・享保4年(1719)書写

    愛染法                       江戸時代(18世紀)書写

    如法愛染王法                    江戸時代・天明6年(1786)書写

  • 【終了】開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第2弾「学僧たちの修二会」〔第4室〕

    令和8年2月7日(土)~3月15日(日)

     

     古代インドで釈迦が仏教を開いたのち、弟子たちによって編纂された経典は膨大な量にのぼりました。さらに中国で仏典が漢字に翻訳されると、重要な部分はどこかについて様々な解釈が生まれます。こうして教理の研鑽が積まれる中で、学派の別を「宗」と呼ぶようになっていきます。東大寺はこうした各宗を兼備する最先端の仏教研究センターとして存続してきたため、修学の所産である「聖教」が今に多く伝えられています。学問寺としての伝統を受け継ぐ総合文化センターの開館十五周年を記念し、「八宗兼学」と言われる東大寺の宗派を一年かけて順番にご紹介します。

      毎年3月1日から2週間にわたって行われる「修二会」は、練行衆が十一面観音に人々の罪を懺悔する法要です。旧暦では二月に行われていたことからその名があり、今日でも「お松明」や12日の「お水取り」を目当てに、会場の二月堂周辺は多くの人々で賑わいます。修二会といえば、精進潔斎や「五体投地」、「走り」といった過酷な身体的修行を連想されるかもしれません。しかし、会中には経典の内容を深め合う「講問論義」も組み込まれており、古来、教学の研鑽を深める場としての性格も併せ持っていました。本展示では学僧たちの眼を通して、一般にはあまり知られていない「修学の場」としての修二会の姿をご紹介します。

     

    〈展示品〉

    重文 大方広仏華厳経 巻第十三(二月堂焼経のうち)      奈良時代(8世紀)

    重文 二月堂修中練行衆日記 第八(二月堂修二会記録文書のうち)

                                 室町時代・応永20年(1413)

    重文 大方広仏華厳経普賢行願品別行疏一巻之上幷序(東大寺聖教のうち)

                                  南北朝時代(14世紀)刊

    重文 華厳五教章 上中下(東大寺聖教のうち)         鎌倉時代(13世紀)写

    重文 二月堂修中練行衆日記(二月堂修二会記録文書のうち)  室町時代・永正17年(1520) 

       円照上人像                      鎌倉時代(13世紀)

    重文 円照上人行状記 上巻                 鎌倉時代・正安4年(1302)

     

    〈関連展示〉

    重文 大般涅槃経 巻第二十二                 奈良時代(8世紀)

    重文 大般涅槃経 巻第二十二(東大寺聖教のうち)        平安時代(11∼12世紀)

           

     なお、期間中、奈良国立博物館においても特別陳列「お水取り」が開催されます。あわせてご観覧されますとより深く修二会をご理解いただけます。奈良国立博物館と東大寺ミュージアムの両会場の展覧会をご覧いただいた方には、限定の特製散華をプレゼントいたします。どちらかの会場受付にて「観覧証明書」を受け取り、もう一方の会場受付でご提示ください。

        (「お水取り展」特製散華)

  • 【終了】開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第1弾「華厳五教章」〔第4室〕

    令和7年12月24日(水)~令和8年2月6日(金)

     

     古代インドで釈迦が仏教を開いたのち、弟子たちによって編纂された経典は膨大な量にのぼりました。さらに中国で仏典が漢字に翻訳されると、重要な部分はどこかについて様々な解釈が生まれます。こうして教理の研鑽が積まれる中で、学派の別を「宗」と呼ぶようになっていきます。東大寺はこうした各宗を兼備する最先端の仏教研究センターとして存続してきたため、修学の所産である「聖教」が今に多く伝えられています。学問寺としての伝統を受け継ぐ総合文化センターの開館十五周年を記念し、「八宗兼学」と言われる東大寺の宗派を一年かけて順番にご紹介します。

      『華厳経』は釈迦が成道してからすぐに説かれた教えと言われ、あらゆる物事は相互に関係しあっていることが様々な角度から説明されています。その教主は釈迦としてこの世界に現れた盧舎那仏であり、遍く宇宙全体を照らす光の存在です。これを所依の経典としたのが華厳宗であり、天台宗と同じく全ての人々は成仏できると考える「一乗」の立場をとります。中国・韓国・日本で盛んに研究されましたが、なかでも注釈書として特に重要なのが唐代に華厳教学を大成した香象大師法蔵が著した『華
    厳経探玄記』と『華厳五教章』です。そのうち、今回は東大寺の『五教章』研究の歴史をご紹介します。

     

    〈展示品〉

    重要文化財 大方広仏華厳経 巻第三(二月堂焼経のうち)   奈良時代(8世紀)

          香象大師像(賢首大師法蔵)          室町時代(15世紀)

          香象大師像(賢首大師法蔵)          室町時代(16世紀)

    重要文化財 華厳五教章 上中下(東大寺聖教のうち)     鎌倉時代・弘安6年(1283)刊

          華厳五教章指事 上下              江戸時代・元和2∼3年(1616∼1617)写

    重要文化財 華厳五教章類集記 巻第十四∼三十(東大寺聖教のうち) 江戸時代・宝暦11∼12年(1761∼1762)写

          華厳五教賢聖章              南北朝時代・応安元年(1368)写

          華厳五教章通路記               江戸時代・元禄3年(1690)頃

     

    〈関連展示〉

    重要文化財 三国仏法伝通縁起 上中下(東大寺聖教のうち) 室町時代・応永6年(1399)刊

          八宗綱要                  江戸時代・承応2年(1653)刊

  • 【終了】特集展示「正倉院裂」〔第1室〕

    令和7年10月31日(金)~令和8年2月6日(金)

     

     創建期の東大寺の宝物を納める巨大な宝庫である正倉院の正倉は、朝廷の監督のもと長きにわたり東大寺によって管理されてきましたが、明治8年(1875)に政府に移管されました。翌年、政府は正倉院の宝物のうち、千年以上の時を経て残骸となってしまった染織品の「裂(きれ)」に注目します。これらは古代の織物技術や文様を知るうえで極めて高い学術的価値を持っていたためです。

     選ばれた約400点の裂は、研究および保存のため、それぞれガラスに挟まれ「見本帳」として国立博物館に頒布されました。これが「正倉院裂(しょうそういんぎれ)」です。この時、おそらく東大寺にも同様に裂が頒(わか)たれたため、現在十数点が東大寺にも保存されています。これらには当時の最先端の染織技法と、仏教美術が花開いた天平文化の躍動的な文様が凝縮されています。大仏開眼会の前後に東大寺を彩った、豪華絢爛な色彩やデザインを、この小さな布裂れから想像してみてください。

     

     ※会期途中で展示替えを行います。

     

    〈展示品〉

    天平裂   奈良時代(8世紀)

       黄緑地霰花文錦幡頭、緑地花葉文刺繍羅、赤地立木天蓋文臈纈平絹、浅緑地草花文臈纈平絹、襷文臈纈綾

                (以上、10月31日∼12月23日)

       青緑地六弁花鳥文錦、淡黄緑地草花文臈纈平絹、白茶地花文夾纈平絹、紫地菱繁文羅、淡赤地四菱入菱繁文羅

                (以上、12月24日∼2月6日)

  • 【終了】特集展示「東大寺の災害史」〔第4室〕

    令和7年10月31日(金)~12月23日(火)

     

     奈良時代、相次ぐ地震や疫病等の災害に対し、聖武天皇は仏教で国を治めようと東大寺を創建します。天皇はこの大事業が人々の協力によって成し遂げられることを願いました。その後、約1300年の間にも日本列島は多くの災害に見舞われ、東大寺も被災の歴史を有しています。被害の度に創建時と同様、多くの人の支援によって復興されてきましたが、それは東大寺が泰平の象徴であり、また心の拠り所であったためでしょう。

     近年、再び地震や病気、気候の変動による災害が多発しています。この展示が平和への祈りを新たにし、未来への備えとして防災意識を高めていただく一助となりましたら幸いです。

     

    〈展示品〉

    重要文化財 東大寺要録 巻第三     室町時代(15世紀)

          真如親王像        室町時代(16世紀)

          東大寺大勧進文書集    江戸時代(18∼19世紀)

    重要文化財 東大寺続要録 宝蔵篇    室町時代(15世紀)

          因明五帖問答抄 第二    室町時代・永正6年(1509)

          東大寺年中行事記     江戸時代・宝暦11∼12年(1761∼1762)

          四月堂本尊修復寄附帳   江戸時代・万延元年(1860)

          二月堂修中練行衆日記   現代・平成23年(2011)

     

    なお、本年のザ・グレイトブッダ・シンポジウムは「東大寺と災害」をテーマとしています。是非ご参加ください。

    日時:11月22日(土)13:30~16:30

       11月23日(日・祝)9:30~13:00

    聴講無料、先着順。詳細はこちらをご覧ください。