令和8年7月25日(土)~8月23日(日)
「南都六宗」という言葉は聞いたことがあっても「倶舎宗」の名を知る方は多くないかもしれません。この宗は釈尊の入滅後、教えの解釈を巡って分裂した部派(小乗)のうち、最も有力だった「説一切有部」の教理をまとめた『倶舎論』を専門に研究する学派です。4∼5世紀頃にインドの世親(ヴァスバンドゥ)によって著された本書は世親が「大乗仏教」に転向する前の大著でした。日本には大乗の教えとともに伝来しましたが、大乗以前からの仏教の根幹が網羅されていることから、宗派を問わず「仏教の基礎学」として広く学ばれます。東大寺は倶舎研究の拠点です。今回は「満寺皆学」と言われた倶舎の学統の歴史をご紹介します。
《展示品》
重文 阿毘達磨倶舎論 巻第一 鎌倉時代・元徳2年(1330)
重文 倶舎論記 第二下 平安時代・天仁2年(1109)
重文 倶舎論頌釈疏 巻第一 平安時代・大治元年(1126)
国宝 倶舎曼陀羅 平安時代(12世紀)
重文 倶舎論記 第十七 平安時代(12世紀)
重文 阿毘達磨順正理論 巻第七十一 平安時代(12世紀)
重文 法華経幷開結二経品釈 及び箱 室町時代・明応2年(1493)/ 江戸時代・元禄5年(1692)
倶舎論明眼鈔 江戸時代(18世紀)
※上記、重文はすべて「重要文化財 東大寺聖教」
《関連展示》
国宝 本世親講講師問者請定 室町時代・応永17年(1410)
国宝 本世親講着到 室町時代・応永17年(1410)
国宝 本世親講着到 室町時代・応永30年(1423)
倶舎三十講愚記 室町時代・応永30年(1423)
※上記、国宝はすべて「国宝 東大寺文書」
