令和8年2月7日(土)~3月15日(日)
古代インドで釈迦が仏教を開いたのち、弟子たちによって編纂された経典は膨大な量にのぼりました。さらに中国で仏典が漢字に翻訳されると、重要な部分はどこかについて様々な解釈が生まれます。こうして教理の研鑽が積まれる中で、学派の別を「宗」と呼ぶようになっていきます。東大寺はこうした各宗を兼備する最先端の仏教研究センターとして存続してきたため、修学の所産である「聖教」が今に多く伝えられています。学問寺としての伝統を受け継ぐ総合文化センターの開館十五周年を記念し、「八宗兼学」と言われる東大寺の宗派を一年かけて順番にご紹介します。
毎年3月1日から2週間にわたって行われる「修二会」は、練行衆が十一面観音に人々の罪を懺悔する法要です。旧暦では二月に行われていたことからその名があり、今日でも「お松明」や12日の「お水取り」を目当てに、会場の二月堂周辺は多くの人々で賑わいます。修二会といえば、精進潔斎や「五体投地」、「走り」といった過酷な身体的修行を連想されるかもしれません。しかし、会中には経典の内容を深め合う「講問論義」も組み込まれており、古来、教学の研鑽を深める場としての性格も併せ持っていました。本展示では学僧たちの眼を通して、一般にはあまり知られていない「修学の場」としての修二会の姿をご紹介します。
〈展示品〉
重文 大方広仏華厳経 巻第十三(二月堂焼経のうち) 奈良時代(8世紀)
重文 二月堂修中練行衆日記 第八(二月堂修二会記録文書のうち)
室町時代・応永20年(1413)
重文 大方広仏華厳経普賢行願品別行疏一巻之上幷序(東大寺聖教のうち)
南北朝時代(14世紀)刊
重文 華厳五教章 上中下(東大寺聖教のうち) 鎌倉時代(13世紀)写
重文 二月堂修中練行衆日記(二月堂修二会記録文書のうち) 室町時代・永正17年(1520)
円照上人像 鎌倉時代(13世紀)
重文 円照上人行状記 上巻 鎌倉時代・正安4年(1302)
〈関連展示〉
重文 大般涅槃経 巻第二十二 奈良時代(8世紀)
重文 大般涅槃経 巻第二十二(東大寺聖教のうち) 平安時代(11∼12世紀)
なお、期間中、奈良国立博物館においても特別陳列「お水取り」が開催されます。あわせてご観覧されますとより深く修二会をご理解いただけます。奈良国立博物館と東大寺ミュージアムの両会場の展覧会をご覧いただいた方には、限定の特製散華をプレゼントいたします。どちらかの会場受付にて「観覧証明書」を受け取り、もう一方の会場受付でご提示ください。


(「お水取り展」特製散華)
