開館15周年記念リレー展示『八宗兼学の寺』第5弾「東大寺の法相宗」

令和8年6月10日(水)~7月24日(金)

 

 法相宗は別名「唯識宗」とも呼ばれ、この世界の現象すべてを「識(心の働き)」の表れとして捉えることを大きな特徴とする宗派です。インドで大乗仏教が成立した後、あらゆる存在を「空」と説く「中観派」と双璧をなした「瑜伽行派」によって教理が深められ、中国・唐の時代に慈恩大師・基(632~682)によって一つの宗派として確立されました。日本では奈良時代以降、主に興福寺や薬師寺を中心に研鑽が積まれており、南都を代表する宗派と言っても過言ではありません。実は、東大寺においても法相宗は重要な教理として学ばれてきました。今回は東大寺における法相宗修学の一端をご紹介いたします。

 

 

 

   弥勒如来および吉祥天・毘沙門天像(伝弥勒曼荼羅) 江戸時代(17∼19世紀)

重文 成唯識論 巻第三(東大寺聖教のうち) 平安時代(11世紀)

   瑜伽論抄              平安時代・承安2年(1172)

   唯識論同学抄            室町~江戸時代(15∼17世紀)

重文 東大寺続要録 諸院篇        室町時代(15世紀)

重文 慈恩会精義用意抄 巻一、二(東大寺宗性筆聖教幷抄録本のうち)

                     鎌倉時代(13世紀)

   因明相承秘密鈔           鎌倉時代・正安元年(1299)

重文 地蔵菩薩立像(知足院伝来)     鎌倉時代(13世紀)

 

《関連展示》

重文 瑜伽師地論 巻第十二(五月一日経) 奈良時代(8世紀)

   法華玄賛第九抄           平安時代・保延7年(1141)