写経・写仏について

Transcribing a sutra or Tracing a picture of a Buddhist image

東大寺の写経について

東大寺の写経には、「華嚴唯心偈(百字心経)」と、「般若心経」の2種類があります。

華嚴唯心偈(百字心経)
般若心経
昔の人が書いた写経は随分たくさん残されています。それには蔵経願経の2種類があります。 蔵経は、東大寺などで一切の経典を写して学ぶ為に書いたもの、願経は人々が願いを満たそうとして書いたものです。
その形式も色々ですが、一行に十七字書く約束がありました。またその方法も、儀式として荘厳なものから略式のものまで、さまざまでした。その様式は時代によって移り変わっているようです。
東大寺では、そうした古来の伝承をもとにして、形式にも新しさを加えました。一枚の写経紙に、ご家族が何行かずつ書いていただいても結構ですし、グループでお書きいただいても構いません。毛筆で書くようになっていますが、どうしても…というお方は、エンピツでもボールペンでもお使い下さい。

なお、東大寺では、大仏殿西側の指図堂(大仏殿入堂口から廻廊沿いに北へ進み、廻廊の途切れたところの階段を降りた場所)に写経をしていただくための写経場を設けております。

指図堂にて写経、写仏をしていただく際は、事前の予約は必要ございません。

10名以上の場合は。事前にお知らせいただけると幸いです。

(電話:0742-22-5511 東大寺寺務所 写経係)

写経場がやむを得ず使用できない場合は予めお知らせしますので、必ず「お知らせ」をご確認ください。

東大寺の写仏について

東大寺の写仏には、
華厳五十五所絵巻の如来、華厳五十五所絵巻の善財童子、盧舎那仏蓮弁線刻画雲中化仏
の3種類の手本と用紙が含まれています。
また、手本はそのまま色紙額に飾れるようになっています。
盧舎那仏蓮弁線刻画雲中化仏
華厳五十五所絵巻の如来
華厳五十五所絵巻の善財童子
仏さまの尊像を写すことは、仏道を志す学僧たちの修行や勉強のために古くから行われてきました。文字だけを写す写経に比べて、線描と彩色の手順が少し難しいかもしれませんが、心静かに呼吸を整え、ありのままのご自身を素直に表現してください。
東大寺は『華厳経』を所依の経典としています。その教えの根本は、我々が生きている広大な宇宙の中のあらゆる存在は、互いに関わりあいながら動いており、一瞬の中に無限を含み、無限の中に一瞬が満ちていて、それらの事象が何のさまたげも無く融合していることを説いています。
仏さまを描くことによって、心の中に無限のやわらかな気持ちが生まれます。
より多くの方々の手で、より多くの仏菩薩のお姿が現れますように、お知り合いの方々にもお呼びかけくださいますよう、ご案内申し上げます。
皆様から寄せられます写仏は、大仏さまの胎内にお納めして、心願成就をご祈念申し上げます。
用紙の余白の部分には、祈願文として経文やご自分で創作された賛文等を書き入れて頂いても結構です。浄写された年月日、御芳名等も忘れずにご記入下さい。